小畑 陽一氏
株式会社エムティーアイ
Package Solution事業部長
『スマートフォンの市場浸透には凄まじいものがある!』
これが意味するところは、フィーチャーフォンにとって代わってのスマートフォンの販売台数や、契約数の伸びという側面はもちろんではあるが、某大手シンクタンクによると『スマートフォンはブームの段階を過ぎ、ネット利用の標準になっている』ということも叫ばれ始めていることではないだろうか。
この現状を鑑みると、モバイルでビジネスを展開している企業はもちろんではあるが、大きな意味でインターネット・ビジネスを行っている企業は、もはやスマートフォン対策に二の足を踏んでいる場合ではないと断言できる。
当社もmusic.jpやルナルナといった"ケータイ"のインターネット上でコンテンツ・ビジネスを行っている企業(コンテンツ・プロバイダ)である。
手前味噌ではあるが、有料のケータイ・コンテンツを利用して頂ける会員を1000万人近く抱えているという意味では、日本最大のコンテンツ・プロバイダと言えるだろう。
つまりは、docomoやau、SoftBankといったキャリアを通じて、毎月毎月お金を払っていただける会員基盤が当社のビジネスの源泉である。
しかし、一昨年ごろは「このビジネス基盤が崩壊するのでは?」と脅えていた時期があったのも確かだ。何故なら、当社でもスマートフォン対策をできていなかったために、スマートフォンへ買い換えるユーザーの離脱を傍観するしかできず、日々ケータイ・サイトの有料会員数が減少していたからだ。
これは、スマートフォンで課金する仕組みが当時のキャリアになかったこともあるが、それ以上にスマートフォンのサイトをキチンと用意できていなかったために、ケータイ会員へスマートフォンでも同じ体験を提供できなかったことにある。
しかしながら、スマートフォン対策をしなければ、市場の潮流に飲み込まれてしまうことから、当社でも2010年7月から本格的にスマートフォン対策をとってきた。
その対策の軸は次の3つである。
一つ目は、『アプリ』。
二つ目は、『Web』。
三つ目は、そのWebでのビジネスを支える『課金』。
まず最初の対策としては、ルナルナを中心に「アプリ」対応を図ってきた。日本だけでなく、海外での展開も見据えて、英語や韓国語、中国語も含めた多言語化にも対応させたアプリを新規に構築、AppStoreやAndroidマーケットで展開した。
次のWeb対策であるが、これは非常に難しかった。アプリ同様に全てのページを一から作成することが考えられたが、既にケータイ・サイトが50以上あるなかで、全てのサイト×ページの再構築は非現実的であった。
また、新たにスマートフォン・サイトを運用していく人員リソースを追加していくことも、経営的にはハードルが高かったため、当社は既存のケータイ・サイト(i-modeサイト)をスマートフォン・サイトに変換するシステム『モバイルコンバートforスマートフォン』を構築し、
・既存資産であるケータイ・サイトの活用
・リソース増加を増やすことなくサイトを運営
を実現化して、素早く一気に全てのケータイ・サイトをスマートフォン対応させた。
最後の課題となる「課金」については、当時は各キャリアがコンテンツ課金に対応していなかったため、自社でスマートフォン・ユーザー認証と決済ができるシステム『mopita』を開発し、対応させることでスマートフォン・サイトでの課金ビジネスが可能になった。