【業界エッセー】「企業ウェブ・グランプリ」参加で、仕事の励みに

稲富 滋氏
日本IBMシニア・アドバイザー
 企業ウェブ・グランプリ事務局長(世話人)


企業ウェブ・グランプリを始めて、今年で4回目を迎える。

当初は、社内で毎年開催していた各事業部のウェブ担当者を顕彰することを目的に、日頃親しくしていただいていた各企業の皆さんにお願いして、IBM各事業部の制作するサイトをみていただき、ランク付けをしていただいていたのが、始まりだった。

「こんな面白いことをIBM社内だけでやらずに、皆でやりましょう」と、各企業の皆さんに励ましていただいて2007年から「企業ウェブ・グランプリ」が開始された。

そもそも、企業ウェブを担当している人には、苦労が絶えない。

どの仕事にも苦労はつきものとはいえ、ウェブという比較的新しい、しかも強力で毎日進化するメディアに戸惑い、次々と現れる横文字群に怯えながら、それでも日々の生産性に直接影響し、競合他社に後れをとってはと四苦八苦する毎日だ。

一昔前のIT部門でも似たようなことは起こってはいたが、当時と比べ、その影響範囲は格段に広く、スピードは格段に速い、一般利用者からの声も直撃する。

一番、具合の悪い(?)ことは、昔のITと異なり、誰にとっても成果物は、簡単で分かり易くなったこと。 以前のように社内で「何か難しいことをやっていて口の出せない」部門とは、誰も思わないし、今や社内の誰もがウェブ評論家になって、これら外野もうるさい。

昨今、企業にとってウェブは影響力も大きく、重要だという声に異存のある人はいないが、その割に、「これまでの広告宣伝の予算を削ってウェブに大幅に移します。」という声も聞かないし、社内での人事キャリアパスが、確立されているわけでもない。
「ウェブを担当していました。」と胸を張っても、「営業」「設計」「購買」や「人事」のスペシャリストでしたと言うほうが、はるかに通りは良い。

企業ウェブ・グランプリ」は、こうした企業のウェブ担当者の日頃の努力と研鑽に敬意を表し、その成果を讃える目的で生まれた賞だ。 映画のアカデミー賞が、「映画人のための映画人の」賞であるのと同様に、「ウェブ関係者のためのウェブ関係者の」賞を目的としている。

アカデミー賞同様、予選では、プロデューサー、クリエータ、サイトアナリスト、、、など職務内容によって、ノミネート審査するグランプリ部門が異なる。 また、他の賞と異なり、応募したら後は結果を待てば良いというわけでもなく、応募と同時に、他サイトも含めた審査員もすることになる。

本家のアカデミー賞の運営を大いに参考にさせてもらっているが、映画は、一度作ってしまえばそれでおしまい。それに対してウェブの方は、継続的な更新が必須の生き物。鮮度を保つ努力がずうっと続く分、ウェブのほうが苦労は大きいというのが偽らざる本音だ。



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