三井 英樹 氏
株式会社ビジネス・アーキテクツ/ユーザーエクスペリエンスデザイナー
RIAコンソーシアム/運営委員長
最近、RIAの事例がジワっと増えてきた気がしています。
「RIA」という言葉を定着させようと、色々なところで活動させて頂いていますが、様々な苦労は含みつつも、開発者(或いは時代の先駆者)は、軽やかに、様々な障害を乗り越えて、ユーザを惹きつけるものを作り上げていっているようです。
エンターテインメントなのか、情報システムなのか、或いはアートなのか。判別のつかない、或いはつけたくなくなる「RIA」に、友人を通じて、SNSを通じて、Webニュースを通じて、出会います。
人はWebサイトを判断するのに、数秒、或いはコンマ何秒かしか必要としない、という調査結果が以前出ていました。さすがにコンマ数秒は早すぎると思いつつも、仕事で競合サイトなどを調査する際に自分が何かを感じ取るための時間は、確かに数秒な気がします。
本来の情報構造と、サイト上の情報の見せ方、など何クリックかしない限り見えてこないはずのモノが、なんとなく感じ取れることがあります。
それは、書店に行ったとき自分の感性にあった本が、まるで「ボクを見て!」と叫んでいるかのように見つけてしまう感覚。
或いは、事前知識が全くないにも関わらず、高名な職人さんが作ったもの(家具でも絵でも食器でも)を、「やっぱり、あの人か」と気付いてしまう感覚に似ています。
一日の大半をブラウザを前にしている生活をしているので、かなり偏った状況にあることは事実です。目の前を通過する情報の量も種別も、一般的ではないかもしれません。
でも、基本的にWeb屋としての一番大事な点は、「普通の人がどう感じるか/考えるか」を読めるかどうかなのだと思います。なので、そこは意識して育て、死守しているつもりです。
ですから、自分的に「凄い」サイトに出会うと、いつも反芻します、「誰にとって凄いのか?」と。
確かに、ボタンの色や、重箱の隅のような部分に感涙してしまう時もあります。開発中の議論を察することができて、辛かったろうなぁと「プロジェクトX」的に勝手にドラマ化して感動している時もあります。
だからこそ、職業的ではないつながりの友人に見せて、同感と言われると、嬉しくなります。「凄い!」と喜んでもらえたら、自作なら自分を褒めたくなり、他社作なら羨ましくなり、頑張り魂に火が点きます。
いつのまにか、Webは、「便利」だと評されるだけでなく、「凄い」とか「きれい」とか「イケテル」とか評されるモノに育ってきています。単なる情報の入り口から、共感の入り口へ。
少し前までは、技術とかテクニックの習得に業界全体が注目していて、何か息苦しい感じすらありました。それが、そんな部分の苦労は、大工が工具の使い方を習得するような話で、前面に出すべき話じゃないんじゃないかという空気さえ感じます。技術革新の階段を一段登った時期に入ったのかもしれません。
Web屋の道が、まだまだ遥か高みを目指して続いていることを、感じつつ、精進あるのみと思う日が続きます。
(2007/09/21)
■三井 英樹 氏プロフィール紹介■
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株式会社ビジネス・アーキテクツ/ユーザーエクスペリエンスデザイナー
RIAコンソーシアム/運営委員長
1999年3月 上智大学大学院理工学研究科機械工学専攻 卒業
日本DEC入社後、研究開発センター所属。
1996年以降 日本総合研究所、野村総合研究所等でWebの企画・開発に当たる。
2007年以降 現職。肩書きに囚われず、営業・IA・企画などを担当。
(株)ビジネス・アーキテクツ http://b-architects.com
RIAコンソーシアム http://www.ria-jp.org
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