広域負荷分散システムとは、国内の主要なネットワーク(配信拠点)に多数のサーバーを分散配信することで、キャンペーンなど短期間にアクセスが集中する場合でも、ストレスのないネットワーク環境を通じ、ユーザーにコンテンツ視聴ができるようにするネットワークシステムのことである。
Jストリームのネットワークインフラは、もともと映像やリッチコンテンツといった大容量のデータ配信用に構築されたものであるが、これをHTMLページなどの静的コンテンツにも効果的に応用することが可能だ(図1参照)。
映像以外での静的コンテンツの広域負荷分散に関する過去の事例では、同社と同様のHTMLページの他、PDFファイルやソフトのダウンロードなどへの応用もある。Jストリームの広域負荷分散システムには、主に以下の2つの特長がある。
1.多数のキャッシュサーバーが、大元の企業Webサーバーへの負荷軽減を助ける
国内の主要な配信拠点に配置されたキャッシュサーバーにデータが蓄積され、ユーザーに情報を届ける。企業側にしてみると、すべてのアクセスが大元の企業Webサーバーへの集中を避けられるというメリットがある。
2.常にネットワークの状態を監視し、もっともデータが流れやすい経路を自動的にマッチングする
主要ISPに設置された多数のキャッシュサーバーのおかげで、ネット上のどこかの経路にトラブルが発生しても、ユーザーは他の経路を通じてコンテンツにアクセスすることができる。その際、ユーザー側は何も操作する必要がなく、まさにストレスフリーの状態でアクセス可能である。
これらは一時的なアクセス増に対応するためには理想的な方法である。「アクセスに合わせて回線を太くする」という考え方もあるが、そうすれば、「一時の瞬間風速のために一年中高い料金を支払い続けなければならない」ということとなり、無駄が多くなる。
また、サーバーからの回線をいくら太くしても、アクセスするユーザーの経路のどこかにボトルネックがあれば、そのユーザーにとってはアクセスしにくいサイトとなってしまう。さらに、Jストリームのインフラでは、必要な時期だけスポット的にアクセス増に対応していくことが可能であるため、企業側の出費も最小限にとどめることができるのだ。
Webサイトを活用してキャンペーンやプロモーションを展開する場合、多くの企業は「ネットを使えばリーチを広げられる」と単純に考えてしまいがちだ。
しかしながら、パンクによりアクセスできない状況ができれば、状況は良くならないどころか、逆にユーザーに悪い印象をも与えかねない。アクセスしたユーザーが「見たくても見られない」というストレスを抱えることになれば、Webサイトがない場合よりも悪いという見方もできるのだ。
「生命保険においては、Webはあくまでも補完ツールですが、その補完をきちんとしたものとして提供できなければ、最終的な対面になってからもお客様にはなかなか信頼していただけないのではないかと思っています。その点で、今回のWeb負荷分散システムの導入で、お客様との信頼感をまた一歩確実なものにできたと思います」
やはり、Webを使ったイベントには、さまざまな戦略と同様に、インフラについてしっかりと計画し、確保しておくことが大切なのである。特に、第一生命のように一時的にアクセスが増えるというケースでは、スポットで活用できる広域負荷分散システムを用いるというのは、経済的にも極めて有効な方法であると言えるのではないだろうか?
【文中敬称略】
(2006/05/23)