「サラ川」が営業ツールとして定着していく一方で、人々のライフスタイルの多様化などにより、生涯設計デザイナーが顧客と直接やりとりできる機会が従来と比較すると少なくなっている。
そこで2001年、同社は「サラ川」をWebサイト上でも応募・投票できるよう、体制を整えた。ここで重要なのは、同社がWebサイトをコンクールの中心メディアとして据えたのではなく、あくまでも従来手法を補完するために導入したという点である。
営業ツールとしての「サラ川」の役割は、あくまでも対面でのトークを円滑にするためのものと位置づけ、応募や投票については、「紙に書かれたURLを渡す」という告知方法をとった。同社にとって、対人関係を深めるには、基本はあくまでも対面であり、Webサイトはサブだからだ。
しかし、Web展開によって新たに生じた「潜在顧客との関係構築」については、違った。Webサイトはメインの「場」となったのである。結果発表の際には多くのメディアに取り上げられ、告示直後の2、3日はアクセス数は同社の想定を上回り、大規模なWebサイトへのアクセスが起こった。
「やはりベスト100の発表時などにはマスコミ公表もされますから、雑誌・新聞はもちろん、さまざまなポータルサイトなどでも取り上げていただいています。すると、それらのサイトなどから訪れるユーザーが一時期に集中するという傾向があるんです」
既存メディアを使ったキャンペーンであれば、ここまでで十分に大きな成果として締めくくることができる。しかし、Webサイトの場合は違う。「サラ川」のあまりの人気は、結果発表ページに高負荷状態を生じ、第一生命のサイト全体がパンクしてしまうという状況となった。
アクセス増そのものは歓迎すべきことであっても、結果として生じたパンクという事態は、企業としては望みたくない結果である。同社では、「サラ川」のネット展開当初、すべてを一括で社内のサーバーで運営していたため、他のページも「道連れ」にしてしまい、せっかく訪れたユーザーが、一時、自社のWebサイトへアクセスできない状態となった。
特定のページにアクセスする結果生じるWebサイト全体のパンクという事態――「サラ川」が既存顧客のみを対象とする営業ツールであるならば、アクセスを制限するという手法も考えられるであろう。
しかし、同社は社会的認知度の高い「サラ川」が、潜在顧客への自社の認知向上へとつながる同社の広告塔としても機能していることを十分に熟知していた。その広告効果を持続した上で、アクセス状況に応じたサーバー環境を整備するという手法を選択した。
そこで導入したのがJストリームのネットワークインフラの活用であった。ポイントはJストリームが持つ「広域負荷分散システム」である。以降、アクセス数がどんなに増加してもパンクすることはなく、どのような状況でもアクセスログが記録できるようになった。さて、その広域負荷分散システムとはどのようなものなのだろうか。