日本経済新聞社から学ぶ「見られるWebサイト」のコツ
株式会社日本経済新聞社様の場合

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映像の持つわかりやすさと訴求力に着目し、2003年12月、国内の新聞社系ニュースサイトなかでも先駆的なストリーミングによる総合ニュースサイトとしてスタートした「日経ブロードバンドニュース」。エンドユーザーがサイト訪問をした際、迷うことなく、楽しく、快適にニュースから広告までを閲覧できるよう、映像コンテンツだけでなく、サイトデザインにも様々な工夫が施されている

「日経ブロードバンドニュース」
http://www.nikkei.co.jp/bb/
日本経済新聞社Webサイト
株式会社日本経済新聞社
日本経済新聞社のニュースサイトであるNIKKEI NETでは、日経の提供する経済、企業、政治、社会、国際、株・ 為替など各分野のニュース速報が一覧できる。マネー、IT、住宅、就職などの専門サイトや大リーグ、サッカー、ゴルフなどのスポーツサイトも充実している

その情報は見られているか
~ストリーミングをコンテンツとデザインの2点で考える~

2003年12月にスタートした「日経ブロードバンドニュース」(以下、日経BBニュース)は、アクセス状況により広告媒体価値が大きく変化するメディア事業ということもあり、きめ細かくエンドユーザーを分析し、「伝わる情報」「受け入れられる情報」を追究してきた。

目指したのは、「映像のわかりやすさ、訴求力に着目したニュースサイト」。国内の新聞社系ニュースサイトのなかでも先駆的なストリーミングによる総合ニュースサイトというコンセプトも、映像情報がもたらすエンドユーザーへのメリットが根底にある。

企業サイト運営者の悩みとしては、「新製品の紹介ページを作ったけどアクセスが増えない・・・」「キャンペーンのオンライン申し込みが増えない・・・」など、サイトに情報を掲載したものの、エンドユーザーの反応が思ったより伸びない、、、ということがよくあげられる。

「いかに注目してもらい」
「内容をきちんと理解してもらい」
「次のアクションへと移ってもらうか」

今回は日々膨大な情報発信をし続けるメディアのプロの事例から、企業サイトにも適用できそうな「見られる情報発信のコツ」について紹介してみたい。解決のためのキーワードは、「心配り」と「統一感」だ。

伝わる情報の形
~キーワードは「心配り」と「統一感」~

まず、キーワードの一つ目、「心配り」について。

心配り1 : コンテンツは、短く、リズムよく

日経BBニュースでは、インターネット用に独自にニュースキャスターを起用し、コンテンツを制作しているが、ニュースヘッドラインでは、1ニュースについて15~30秒程度でまとめ、全体を3分程度で完結させている。これは、インターネット・ユーザーが、目的のものを手早く、簡潔に理解したいと思っているため。その他のコンテンツについても、数分を目処に、短いセンテンスでテンポよくすることでエンドユーザーの見やすさ、聞きやすさを追求している。

ニュース映像キャプチャ
音声が出せない状況でもテキストや映像のテロップでニュース内容を把握することができる
【画像をクリックして拡大できます】

心配り2 : 音声が出せないエンドユーザーへのフォロー

例えば、ヘッドラインニュースでは、映像のすぐ下にアナウンス原稿のテキストを表示。大きな音を出しにくい環境での視聴を可能にしている。

また、インタビューコメントは、映像にテロップをいれることで、直感的にアナウンス原稿との違いがわかる作りとなっている。

心配り3 :素早い 映像再生へのこだわり

日経BBニュースでは、 今年3月に、Flashサイトとしてリニューアルした。そのメリットのひとつとして、Flashストリーミングの映像再生までの素早さがあげられる。ページにアクセスして3秒以上何も表示されないと、エンドユーザーはストレスを感じるという「3秒ルール」が浸透するなか、1秒程度で即座に映像再生がされることはエンドユーザーへの嬉しい「心配り」である。

そして、キーワードの二つ目、「統一感」について。

今年3月のFlashサイトへの大リニューアルの際に、日経BBニュースでは、サイトの統一感にこだわることによって、Webサイトの見やすさ(=伝わりやすさ)を向上させた。

統一の効果1 : 閲覧の流れを遮らないスマートな視聴環境の実現

映像やその他メニューへのアクセスのたびに別の画面が立ち上がるのは、そのたびに視聴者の情報を見る流れを止めてしまいがちだ。今年3月のサイトリニューアルの際には、Flash技術を活用することで、画面を横長に使い、左側にニュース映像、中央に広告、右側にチャンネルガイド(コンテンツ一覧)というエンドユーザーにとって使い勝手のよいデザインが実現できた。
チャンネルガイドからコンテンツを選ぶと、自動的に映像へ移動し、再生が始まる。すばやい画面展開や映像再生により、「このサイトはどう使うの?」という疑問やストレスを抱かせることなく、視聴を楽しむことができる。

統一の効果2 : 色の統一で広告への親しみも増す!?

映像横の広告枠は、4社分をローテーションさせているが、実は提供企業のコーポレートカラーによってサイト左上の「日経BBニュース」の題字やアナウンステキストの縁取りの色が切り替わる仕掛けになっている。掲載広告も含めて色のトーンをあわせることで、全体の統一感が増し、広告を含め掲載情報の見やすさを実現している。

統一の効果3 :  映像横のスペースは、広告や集客利用に効果的

サイトを開くと映像コンテンツが目の高さにあって見やすいのはもちろんだが、その横に広告スペースが確保されている点に注目したい。映像で目をひいた後、大きな視線の移動がなく広告の情報が目に入りユーザーを自然な移動へと促す。映像と広告をバランスよく見せるレイアウトによって、広告のクリック率がアップしたという。
この点は、企業サイトにおいて、商品紹介映像から問い合わせへと誘導する際や、キャンペーン紹介から申し込みへの誘導にも適用できそうなノウハウである。

広告スペース
サイトの統一感を無視して、提供企業のコーポレートカラーに応じて、サイトの題字などの色が変わる。映像横の広告スペースは、大きな視線の移動がなくスムーズな広告クリックへとつながっているという

また、映像コンテンツの更新頻度を1日1回から2回にアップしたところ、サイトアクセス数も急激に増加したという。「こまめな情報発信は、エンドユーザーのアクセス数、リピート率にも良い効果をもたらしているようです」
担当者は語る。

映像によりわかりやすく情報提供を行うと同時に、「見られる工夫」をすることで、サイト閲覧時の満足度を上げる。それは広告を含めたサイト全体の情報発信力アップにつながるという相乗効果。これらは、まさに企業Webサイト運営においても適用できそうなポイントであり、自社商品の認知度や理解、広告効果がなかなかアップしないという悩みを解くヒントとなるだろう。

視線の流れを止めない作りが、
アクセスとクリックの飛躍的アップを実現

サイトオープンから1年半、「日経BBニュース」のアクセス数は、右肩上がりを示しており、リニューアル後はさらに数十%のアクセスアップを示した。視聴者属性としては、30-40歳代のビジネスパーソンを中心に会社から、自宅から、そして海外から、昼夜ともにアクセスが拡大しているという。また、映像横に配置した広告スペースについても、クリックレートは同様のバナー広告等の平均的な数値よりも高く、広告提供企業からも好評を得ているという。

「Flashストリーミングの活用により、Webサイトはテレビと雑誌の両方のメリットを併せ持ったメディアとしてますますパワーアップしていくと思います。テレビに代表されるような『映像と音声で深く訴求する』という要素と、雑誌に代表されるような『記事を読んでいたら横の広告にも目がいきエンドユーザーの興味をひく』という要素の両方の良いところがひとつのメディア上で実現するのですから」

映像コンテンツを「見やすくする」というのは、必ずしも高画質で配信することだけを意味するのではない。Webサイトを訪れてくれたエンドユーザーが、いかに、アクセス中に迷うことなく、スムーズに視聴でき情報にアクセスできるかが重要だ。「あのWebサイト、また見てみよう」と思わせ、しっかりとエンドユーザーの心に根をおろしたサイトは、技術を使いやすさに直結させたことで生まれた。

【文中敬称略】
(2005/04/19)



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