ブロードバンドの普及により、強まる映像情報のニーズ
1997年に宿泊施設検索サイト「インターネット版 旅の手帖」を立ち上げ、旅という切り口から、観光地や宿泊施設に関する商品・サービスの説明をネット上で行ってきたトラベルサイト。
トラベルサイトでは、商品やサービスの内容を伝えるのに、もっとも重要なのは、「臨場感」であると考え、サイトオープン当初から一貫して、「旅の臨場感」の追及をテーマにサイト作りを行ってきた。
ナローバンド時代は、静止画の掲載で旅の雰囲気を伝えるなどの工夫をしてきたが、ブロードバンドの普及に伴い、エンドユーザーから「実際の動いている映像を見たい」との声も強まり、2001年からは、観光地や宿泊施設の情報をストリーミングにより提供開始した。
ストリーミングの導入で、テキストの4倍以上のサイトアクセス
ブロードバンド化の進行に伴う掲載情報のビジュアル化は、エンドユーザーからのサイトアクセスに顕著な変化をもたらした。
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まず、2003年4年、トップページでの、宿情報の案内をテキストのみから、宿の静止画とあわせて掲載した際には、アクセス率が2倍へと増加した。 |
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さらにその後、静止画掲載からストリーミング導入へと進むと、同じ旅館で、ストリーミング導入以前と以後では、平均するとおよそ2倍のアクセス率の上昇があり、人気旅館においては、それ以上のアクセス上昇が起こった。 |
つまり、テキスト掲載だったころから考えると、同一の旅館に関する情報でありながら、ストリーミング活用によって、4倍から場合によってはそれ以上のアクセス数の違いを生じることになったのである。
見てもらうための工夫
また、ストリーミングが効果的な情報提供手段として機能したのには、トラベルサイトのコンテンツ制作のこだわりにも起因していた。「旅の手帖」に掲載される映像コンテンツは、どれも、3分30秒以内にまとめられている。それはテレビなどとは異なり、視聴時間が極めて短いネットコンテンツならではの「見られるためのこだわり」だったのである。
さらに、エンドユーザーが見たいところだけを見られる工夫として、その短いコンテンツの内容を、「庭園」「お部屋」「料理」など細かいポイントにわけ、「分割パネル」で表示、エンドユーザーが関心のある部分から好みに応じてみられるよう工夫し、ストリーミングによる商品・サービス紹介は活性化の一途をたどっていった。
エンドユーザーの関心にあわせて画像をクリックすると、見たい箇所の映像だけを見ることができる「分割パネル」形式。最後まで見終わると、最初からコンテンツが再生される仕組み。「分割パネル」をクリックして視聴する人の割合は、全体視聴者数の8割にも及ぶという
【画像をクリックして拡大できます】
映像をきっかけに予約してもらうことが最終目的
トラベルサイトのアクセス数は、この6年間でずっと右肩上がりを示している。情報掲載を依頼する宿泊施設側もストリーミングへの関心は高く、2本、3本とストリーミング掲載を希望するところも出てきている。情報掲載契約を結ぶ宿泊施設数も1,500件以上と、旅情報発信サイトとして今やその存在を確実なものとしている。 「個々のストリーミングコンテンツは、フルに見られないことがほとんどですが、それは問題ではありません。『映像で見ることができる』ことをきっかけにして、エンドユーザーがサイトをめぐり、『結果、予約』してもらえることが、私たちの最終目的なのですから」 2003年2月には、ストリーミングで宿、プラン選びができるブロードバンド時代の新しい旅行サイトとして「旅の手帖BB」が登場、9月のリニューアルでは検索機能も増強し、宿泊施設情報のひとつの完成形を得たと担当者は語る。 個々の要望を汲み取って、エンドユーザーの「知りたい欲求」を、できるだけ早く、簡潔に解決させていくことが、ネット上での商品・サービス説明には不可欠であり、そのための重要な情報手段としてストリーミングはここでも活躍している。
【文中敬称略】 (2003/10/28)
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